
現在、どのような活動をしていますか。
北条地区まちづくり協議会の事務局長を務めています。生まれも育ちもずっと北条で、地域のために何かできたらという思いで、地域行事にはほとんど関わってきました。そして定年後の現在も、まちづくり協議会として、楽しい思い出をたくさんつくってもらい、たとえ進学や就職で北条を離れても、また帰ってきたいと思ってもらえるように、花火大会や夏祭りなどのイベントを運営しています。
北条ならではの方言や昔の出来事などを伝承することにも力を入れ、北条の小学校や中学校、高校で地域の良さを紹介しています。
ほかにも力を入れていることはありますか。
鹿島の櫂練(かいね)りです。櫂練りの起源は平安時代末期にさかのぼるといわれ、河野水軍が源平の合戦で源氏に味方し、勝った時の様子を再現している船上の踊りです。もともとは漁師の祭りだったんですが、高齢化が進んできたこともあって年々漁師が減り、現在は北条全体の祭りとして、春と秋の2回披露しています。
櫂練りは子どもも参加する祭りなので、毎年小学3年生を対象に櫂練りの授業をしています。踊り子は子どもから人気で、参加した子どもたちはすごく楽しいと言ってくれています。私自身も子どもの時から櫂練りに関わってきましたが、地元を代表する伝統芸能なので、絶対に受け継いでいかないといけないという気持ちで臨んでいます。
お気に入りの場所や松山の魅力を教えてください。
鹿島ですね。目の前で生まれ育ったので、幼い頃から庭のような存在です。今も夕日が奇麗なときはスマホで写真を撮ったりします。
また食べ物が美味しいです。特に魚介類が美味しくて、新鮮な刺し身と日本酒の組み合わせは最高です。また北条の郷土料理の鯛めしもお薦めです。それぞれ家庭にレシピがあり、うちは母親のレシピを妻が改良して作っていますが、周りから好評で、今では自分でも炊いています。
松山の魅力を一言でいうと、住みやすいまちですね。都会の面もあり、田舎の面もあって暮らしやすく、災害も少ない。だから移住される方にも選ばれているんだと思います。北条地区も移住者が増えていて、まちの活性化に携わる者として、これからも移住者と地域住民の架け橋を担っていきたいです。
子どもたちに向けてメッセージをお願いします。
ずっと生まれ育った場所にいる必要もないですし、ちょっと離れてみたら地元の良さもわかると思います。私も旅行が好きで、よくいろんなところへ行くんですが、やっぱり帰った時に北条の良さを感じます。外へ出たからこそ改めて感じる良さもあるということですね。
とにかく、若いうちは失敗はないと思って、何でも体験してほしいと思います。
ありがとうございました。
子どもたちに楽しい思い出を残し、地域の伝統を守り継いでいきたいです。