本当の意味で「ぜいたくな暮らし」ができるまちだと思います。

  • 近藤路子さん

現在、どのような活動をしていますか。

愛媛の食と、食に関わる人々のクラスアップをサポートする事業を中心に、フードコーディネーターとして活動しています。
きっかけは、結婚を機に家業のサポートのため、愛媛で初となる「野菜ソムリエ」の資格を取得したことで、メディアから野菜や果物について意見を求められるようになりました。野菜や果物に限らず食全体を俯瞰で見られる人がこれからは必要なのかもと、この道に進むことを決めました。これまで、テーマに合わせたレシピ開発や食卓のコーディネート、料理教室の開催など、愛媛・松山に特化した食に関する魅力を発信してきたのですが、コロナ禍で状況が一変し、私自身の活動も少しずつシフトチェンジしました。そうした中、他社の商品開発ばかりで自身の家業である食品スーパーのコーディネートが十分にできていなかったことに気付き、夫とともに自店のプロデュースに力を入れ始めました。
間もなく創業50年を迎える昔ながらのお店ですが、これまで通り地元のお客様や大手スーパーでは買い物がしづらいご高齢のお客様を大切にしながら、選び抜いた新鮮な果実を使った「フルーツサンド」や丼とおむすびを掛け合わせた「どんむす®」などで商品力を高め、「本物の味で新たなお客様や地域の方々を幸せにしよう」という思いでお店作りに取り組んでいます。

松山の魅力を教えてください。

松山は、いい意味で「小さな日本」だと思います。日本人が日本を「居心地が良い」と感じるのと同じように、松山に帰属する人々は松山という土地に「当たり前の心地良さ」を感じると思います。そして、何か欲しいと思ったときに手に入らないものがなく、ピンからキリまで同時に揃うからこそ、選択肢の幅があり、幅があるからこそ、あらゆる暮らしが実現できます。
決して大げさな話ではなく、自分にあった暮らし方を自由に選択できるまちは、全国探してもなかなかないんじゃないでしょうか。文化や歴史に裏打ちされた地域でもあるので、自己の探求心も満たしてくれて、本当の意味で「ぜいたくな暮らし」ができるまちだと思います。

子どもたちに伝えたいことはありますか。

故郷の松山について語れる話(ネタ)を何か持っていてほしいです。それは良いことでも嫌なことでもいいと思います。大人になって「松山について教えてほしい」と聞かれたときに、「実は松山は・・・」と語れることは幸せですし、みんなが楽しい気持ちになれると思います。
私たちのお店が「松山って、美味しいものがいっぱいあるんよ」という言葉が自然と出てくるような、記憶の後押しになる存在になれればいいなと思います。
少し話がそれるかもしれませんが、私は昔から愛媛の子どもたちに「みかん教育」を取り入れられたらと考えています。柑橘のまち松山で、みかんの味の違いや種類に詳しい専門家が沢山誕生すれば、とても素敵ですし、こういう経験はいつか故郷を誇りに感じる話の一つになるのではと思っています。

ありがとうございました。

関連サイトリンク